サウナに入ることで得られる「ととのう、ととのい」状態を脳波で説明した論文を簡単に解説!

サウナの論文
■はじめに
近年のサウナ人気は言うまでもなく、遠くはフィンランドの伝統的なものですが、現在は娯楽や趣味の一つとして地位を確立しています。
そしてサウナが好きな方、いわゆる「サウナー」にとってサウナで得られる「ととのう、ととのい」は最高の瞬間ではないでしょうか。
日々の喧騒を忘れ、浮遊感を感じ、どこか遠くへ行ってしまいそうな感覚でしょうか。
サウナ→水風呂→外気浴→ととのう、ととのい
今回は、この「ととのう、ととのい」のときに何が起こっているのか調査した論文をご紹介します。

■どういう論文?

サウナの研究論文は多くありますが、脳の活動や気分にフォーカスしたものはほとんどありません。
今回紹介するものは、脳波と参加者のアンケートによる主観的な気分を評価しました。
研究デザイン
・参加者は男女合わせて20名(男性14名、女性6名)
・各10名をサウナに入るA群と、サウナに入らないB群に分けました。
・脳波や眼球運動、心電図などを測定した。
・アンケートを実施した。

■結果は?

論文中には以下のように記載されていました。
A群ではB群に対し「ととのう、ととのい」中に
・シータ波とアルファ波が徐々に増加した。
・P300振幅が大幅に減少した。
意味不明ですね。
シータ波は、眠気や深い瞑想状態にあるときに測定されます。
アルファ波は、リラックスや目を閉じている状態のときに測定されます。
P300とは、脳波反応の一つであり何らかの刺激が与えられてから0.3秒後に出現する陽性の反応とされています。
では「P300振幅が大幅に減少した」を簡単に言い換えると、「注意力がかなり低下している」となります。

■まとめると

「ととのう、ととのい」とは
目を閉じリラックスしており、眠気や深い瞑想状態にあり注意力が低下している状態である
と言えるのではないでしょうか。
論文中には「ととのう、ととのい」は肉体的および精神的なリラクゼーション、心の明晰さ、幸福感および/またはポジティブな状態」と記載されています。
また参加者のアンケートの結果も、「幸せを感じる」「リラックスしている」などポジティブな回答が多く得られました。
改めてサウナの魅力に触れることができました。
「ととのう、ととのい」が脳波によって説明されており面白い研究だったと思います。
SF映画のように脳波に干渉する機械が開発されれば、サウナに入らなくても「ととのう、ととのい」状態になれてしまうなぁと考えてしまいました。
しかし、そんな機械や装置ができても私はサウナに入ることを選びますね。

■注意

サウナの利用がすべての人にとって安全であるとは限りません。
健康状態や持病によってはリスクが伴う場合があります。危険や不安を感じた方は医師に相談することをお勧めします。
”引用論文”
A study on neural changes induced by sauna bathing: Neural basis of the “totonou” state
Ming Chang , Takuya Ibaraki , Yasushi Naruse , Yasuhiko Imamura
「サウナ入浴による神経変化に関する研究:「ととのう」状態の神経基盤」

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