アルコール依存症にサウナが効果的!?海外で報告されている研究をわかりやすく解説!

サウナの論文
二日酔いの解消のためにサウナに行くという話をちょこちょこ耳にします。
今回のお話は二日酔いの解消、ではなく
アルコール依存症がサウナに入ることで改善するかも!です。
■今回紹介する研究の概要と結論
運動、サウナ、治療用栄養素に基づいた独自の化学物質曝露計画の安全性と健康上のメリットを評価しました。
重篤な有害事象がなく、中止率が非常に低く、顧客から報告された満足度も高かった。 身体的および感情的症状の改善を示しました。
では、詳しい中身を解説していきます。
■はじめに
長期にわたる薬物離脱症状は、薬物使用を中止した後も数か月または数年続くことがあります。
薬物乱用への再発を防止するために徹底的に管理・支援を必要とし、治療補助薬や心理アプローチが行われます。
その過程では、渇望、睡眠と気分の障害、軽度の身体的不快感、認知機能の低下など
いわゆる「離脱症状」が現れます。
そしてこの研究は、違法薬物やアルコールの乱用から回復を助けるために
運動、サウナ、栄養補給を組み合わせ評価しています。
■参加者と研究デザイン
・参加は107人(男性:74人 女性:33人)
・30分程度の有酸素運動、ナイアシンによる補助薬物療法、食事、サウナ、これらを毎日行う。
ナイアシンとは水溶性のビタミンB群の一種です。
サウナの温度は60~80℃に設定

・専門スタッフや看護師による24時間体制

・対象者にアンケート調査を実施

■結果
約102日間行われ、99%の方が完遂しました。
参加者の全員に改善が認められ、
・68%の人が身体の調子が良いと回答
・51%の人が頭がスッキリしたと回答
・28%の人がよく眠れると回答
・26%の人が薬物やアルコールを欲しなくなったと回答、しました。

一時的な頭痛や疲労、薬物への渇望は認められましたが、研究を中止になるような事象はありませんでした。

■まとめ
薬物乱用治療プログラムの一環として提供されたサウナベースの解毒プログラムに関する初の大規模研究
・重篤な医学的疾患の発現はなかった。
・参加者の満足度は非常に高かった。
・サウナに入ることで依存症が改善する可能性がある
・今後さらなる研究が望まれる(参加者のアンケートベースのため)
サウナが依存症に効果があるかも!と思える良い研究ですね。
個人の感覚として「薬物・アルコールを欲しなくなった」の割合が26%というのは、少ないなと感じます。
そして、この研究はサウナベースではなく
規則正しい生活にサウナを組み入れた効果、と考えられます。
規則正しい生活は重要ですね!
■注意■
サウナの利用がすべての人にとって安全であるとは限りません。
健康状態や持病によってはリスクが伴う場合があります。危険や不安を感じた方は医師に相談することをお勧めします。
”参考論文”
Safety and tolerability of sauna detoxification for the protracted withdrawal symptoms of substance abuseJ Int Med Res. 2018 Nov; 46(11): 4480–4499.
Published online 2018 Sep 13. doi: 10.1177/0300060518779314
「薬物乱用による長期離脱症状に対するサウナ解毒の安全性と忍容性」

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