サウナに入ることで得られるホルミシス効果とヒートショックプロテインとは

サウナの論文
■はじめに
サウナ入浴とは、高温(45℃~100℃)に短期間受動的にさらされることを特徴としています。
この曝露は軽度の高体温を引き起こし、恒常性を維持しようとして相乗的に働く神経内分泌、心血管、細胞保護機構が関与する体温調節反応を誘発します。
サウナを繰り返し使用すると、ホルミシスとして知られる生物学的現象により、体が熱に順応し将来の曝露に対する体の反応が最適化されます。
■ホルミシスって?
有害な物質であっても低濃度・微量に用いた場合に有益な作用をもたらす現象!
最近では美容や医療にも取り入れられているようです。
■サウナに置き換えると・・・
本来45℃~100℃の環境下では強いストレスにさらされ、生きることも難しくなります。
しかし短い時間であれば、恒常性の回復と将来のストレス要因に備えて身体を調整する神経内分泌、心血管、および細胞保護機構に関与する体温調節反応を誘発することが報告されています。
つまり・・・
サウナに入ることでストレスに強くなる、ということです。
■サウナ入浴で身体に起こる反応
サウナに入ると体にストレスがかかり、皮膚や心血管系に迅速かつ強力な反応が引き起こされます。
最初に皮膚が熱くなり約 40℃ まで上昇し、続いて深部体温がゆっくりと約 38℃ まで上昇します。

そして発汗が促進され、1 時間あたり約 0.6 ~ 1.0 kg の速度で体液が失われていきます1時間通しでサウナにはいる人はいないですが)。

この発汗は、尿による排泄と比較して、アルミニウム (3.75 倍)、カドミウム (25倍)、コバルト (7 倍)、鉛 (17 倍) など排泄を促進します。
※カドミウム・コバルト・鉛は人体に悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。
サウナのホルミシス効果は、タンパク質の損傷と凝集を軽減し、抗酸化物質、修復、分解プロセスを活性化する分子機構によって促進されます。
これらの反応の多くは、中程度から激しい強度の運動に反応して引き起こされ、熱ショックタンパク質(ヒートショックプロテイン)、転写調節因子、炎症促進因子および抗炎症因子の発現増加が含まれます。
つまり、運動しなくても似た効果を得ることができるのです。
■熱ショックタンパク質(ヒートショックプロテイン)を解説
このタンパク質は熱刺激により誘導されるためヒートショックプロテインと名付けられた。
・ヒートショックプロテインはすべての細胞に存在しており、細胞の損傷を防ぐタンパク質。
・ストレスにより傷ついた細胞を、ストレスを受ける前の状態に修復する
「サウナ→熱刺激→ヒートショックプロテイン活性化→細胞の修復」
サウナに入ることで30%~50%活性化することが報告されています。
■興味深いデータ
週一回サウナを利用する男性と週2~3回サウナを利用する男性を比べたところ心血管疾患で死亡するリスクが27%低かった、との報告がります。
さらに週4~7回サウナを利用する男性と比べると50%低かった、と報告されています。
さらにさらに、サウナを頻繁に利用する人のほうが、頻度が少ない人に比べて全死因死亡のリスクが 40%低かった、との報告もあります。
ヒートショックプロテインの効果は凄まじいですね!
また、サウナの効果は用量依存性があると考えられます。

■まとめ

サウナに入ることが健康に寄与するデータがある。
心血管疾患に対しては、サウナ入浴頻度が高い方がリスクを軽減する。
発汗により有害物質が排出される。
ヒートショックプロテインの効果を増進させる。
■注意■
サウナの利用がすべての人にとって安全であるとは限りません。
健康状態や持病によってはリスクが伴う場合があります。危険や不安を感じた方は医師に相談することをお勧めします。
”引用論文”
Sauna use as a lifestyle practice to extend healthspan

 

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